第二回目「初午~はつうま」
第一回目「手拭いとお年玉」
暴れ熨斗、獅子舞、火消の纏、芸名の意匠、縞、紋…、落語家としての第一歩、前座から二ツ目に昇進する時に染める手拭いは芸風同様、その色、柄とも実に様々。
数少ない小道具であるこの手拭いは、高座では財布や本や手紙になり、ついでにちっともウケやしない時には冷汗までふける。
正月初席。真打や二ツ目の落語家は、賀詞と共に手拭いを交わし、そこで修行する前座はさらにお年玉を頂く。前座として迎えた初めての正月初席。顔見世で出番の多い楽屋の様子には本当に感動したもので、初めて貰ったお年玉で買った鞄は衣装ケースとして今でも大切に使っている。余談だが、私の師匠歌司も、還暦を過ぎていまだに大師匠圓歌からお年玉を貰う、そんな世界。
そうそう。お年玉のお礼について、正月早々お小言を頂戴したのは、亡き古今亭志ん朝師匠との最初で最後の出会い。小言より何より、指の動かし方から喋り方まで、あの「志ん朝」のまんまで、一瞬ボンヤリしたものだ。
今は労いと日頃の感謝と共に渡す側になったが、前座でも二年目、三年目となるといっぱしの芸人を気取るようになり、後輩たちとみな酒とよからぬことに消えていく、『お年玉』
カテゴリ三遊亭司の「日日是遊有」 | 2012. 01. 05. 17:12 |

火事 喧嘩 伊勢屋 稲荷に犬の糞と、江戸名物にあげられるなか、とりわけて商売屋であがめられるのがお稲荷さまで、そのご縁日が、初午。
ことさら、遊女三千人御免の場所、日に千両落ちたという吉原には街中に四カ所お社があった。
過日、その名残をもとめて歩いてみたが吉原神社に合祀されて跡形もない。
お稲荷さまのかわりに、弁天さまなら…まぁ、いいか。
大師匠圓歌宅にも棚と社があって、かつては賑々しく初午を祝ってたらしい。
なにしろ、『わたしたちの商売』、やることやったら、あとは神頼み。ただ、それだけ。
そんな想いでシャンと柏手を打つと、江戸の寒空が一瞬キリッとひきしまった。
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